UBOMとは
 UBOMは、精神活動を、情報の入力系・高次処理系・出力系そして観念表象系という機能の視点から、簡易かつ客観的に評価するためのツールです。このように広汎な精神機能を簡易かつ系統的に評価できる検査は他になく、機能障害の実体に精神生理学的実証をもって迫れます。
 従って、UBOMが精神科の一般診療に取り入れられることで、これまでの症候論的評価だけでなく、症候と情報処理に関わる脳機能との関連性を客観的に示せるようになると期待されます。さらに、この検査結果は、患者さんの障害認識に訴えかけることで治療参加を促し、患者さんと精神保健福祉サービスの従事者による障害の共通理解や、治療効果の尺度として役立つと考えられます。
 また、UBOMは簡易であるため、一定のトレーニングを積めば、精神科医療に関わるスタッフが職種に関わらず実施可能です。
4つのサブテスト
心拍数変動テスト 刺激を与えることによって生じる心拍数の変動を測定します。

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 ストップウォッチと卓上水銀血圧計を用意します。安静時に心拍数(安静時心拍数)と血圧を測定します。続いて、収縮期血圧と拡張期血圧の中間圧で腕帯を加圧し、その際の心拍数(圧負荷心拍数)を測定します。
 このテストによって、心拍数変動値(PRD:Pulse Rate Difference)が得られます。
 
物差し落としテスト 自由落下する物差しをつまむ距離(単純反応時間)を測定します。

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 40cm規格の定規を用意します。自由落下する物差しをつまむ距離を測定します。この際、検者は被検者に落下開始の合図はしません。物差しの目盛り(cm)が測定値となります。目盛りを読むことで物差しをつまむまでに要した時間が分かります。
 このテストによって、物差し落としの単純反応時間(RCT:Ruler Catching Time)が得られます。
 
乱数生成テスト 1分間の乱数生成を行い、並べられた数字のばらつきの程度を測定します。

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 ストップウォッチ、2Bの鉛筆と一行20字の横書き原稿用紙を用意します。1分間で、0から9の範囲の数字をなるべくでたらめに並べてもらいます。さらに、1分間で0から9まで連続数を繰り返し書いてもらいます。
 このテストによって、乱数度(DOR:Degree of Randomness)と平均乱数生成時間(MRT:Mean Randomizing Time)が得られます。
 
バウム・テスト 「実のなる木」というテーマで樹木画を自由に描いてもらいます。

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 白紙B6版のメモ用紙、2Bの鉛筆と消しゴムを用意します。制限時間は特に設けません。「実のなる木を1本描いて下さい。」という題で自由に木を描いてもらいます。
 このテストによって、画型という定性指標が得られます。画型は、普通画と異型画に大別されます。異型画は、陽性画、陰性画、陽性画と陰性画の特徴を備えた合併画に分類されます。
 

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 私たちの精神活動を、情報の処理過程としてみたとき、入力系、高次処理系、出力系、そして観念表象系の各機能に分けることができます。UBOMを構成する各サブテストと精神機能の関係については、心拍数変動テストが入力系の、乱数生成テストが高次処理系の、物差し落としテストが出力系の、バウム・テストが観念表象系の、各機能を反映していると考えられます。

特定非営利活動法人臺式簡易客観的精神指標研究会(NPO 法人 UBOM 研究会)
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